レギオンズ!チャンピオンシップ2019年オータムも終わりましたので,持ち込んだ黒白ソロモン2の解説をします.大会のデータは公式に先駆けてTwiterにかなり詳しく書いたので,そちらをご覧ください[1, 2]
ベースは以前執筆した黒白ソロモンですが,コンセプトは同じなもののかなりの枚数が変更されています.ただし,本記事では主に変更点のみを記しますので,ソロモンコンボそのものを知りたい方は上記の記事をご参照ください.また,このデッキは今環境内ではメタるのも難しく,考え得る限り全デッキに有利がつく環境の答えだと考えているため,総括として環境推移の感想も合わせて記します.
- デッキ
- 基本的な回し方
- 採用カード解説
- 1コストカード
- 2コストカード
- 3コストカード
- 5コストカード
- 6コストカード
- 8コストカード
- 第4弾環境総括
デッキ
戦績:
・チャンピオンシップ2019オータム: 5位
・同ガンスリンガー 5-0

基本的な回し方
悪魔や天使属性を持つスキルを並べ,ソロモン+グザファンのコンボに繋げるデッキです.天使と悪魔が20枚入っているため,どんなに回らなくてもコンボ達成時の全体3点バーンはほぼ保証されており,意識すれば全体5点ダメージ以上を与えて相手のロードを吹き飛ばすこともかなり簡単に行うことができます.
赤白剣術アグロのような極まったアグロに先攻を取られ,こちらが相手の横並びミニオンを処理できないと厳しくなりますが,ホーリープロテクション3,ミュゼル3,ゴモリー3の軽減ギミックも組み込まれており,かなり耐えることも可能です.アグロに対してはそのままサキュバスが着地すると相手のキルターンが概ね伸びるため,そのままハイデルガルドなどで返せない盤面を作ればそのまま押し切れます.
白黒はファッティの処理が難しいという弱点がありますが,ソロモングザファンコンボに特化している本デッキではハモニアですら全体バーンで一掃できるポテシャルがあります.グザファンを素出しできる8コアまで伸ばせれば勝ちなため,遅いデッキにも強いです.
構築上,ニムエで止まり,効果ダメージ無効持ちのロードがコンボでは処理できないという問題点はありますが,それらが入っている赤緑には時空乱流一発でほぼ勝てます.
さらに,CC0のハイデルガルド,マルルンというマスト処理なロードが6枚入っているため,メンコバトルにも強いです.
1コスト9枚,2コスト5枚とゲームそのものの研究が進んだ知見においてはかなり事故りやすいデッキではありますが,負け筋は極端なアグロ相手に対応ができないか,マサムネが処理できないことくらいで全てのデッキに5割を超える勝率を誇ることができるはずです.なお,どちらに対しても対処札がないわけではありませんので,相手の色に合わせた動きができるのであれば非常に対応力は高いと言えるでしょう.
悪魔・天使の数だけダメージというコンボであるため,リバースや除外に弱いようにも一見思えますが,ソロモン→グザファン以外にもソロモン→グザファン→モラクスやソロモン→グザファン→サキュバスがあるので相手がタイムライン処理に気を取られているうちに実はマウントを取ることができます.
採用カード解説
1コストカード(9枚)
リトルスカルデビル (3枚)
コンセプト上絶対に3積です.あずきには洗われませんが,カスミには処理されるので1ターン目にヴァンパイアバットとどちらを出すかは相手の色を見てよく考えてください.
ヴァンパイアバット(3枚)
コンセプト上絶対に3積です.終盤においても強襲付与して1点が出せるため,リトルスカルデビルより有用な盤面が多いです.
ホーリープロテクション(3枚)
ククリがいまいちだったので代わりに入れたカードです.また,シェイドは相手のATK3オーバーのミニオンをマルルンやハイデルガルドを生存させつつブレイクさせるために入れていましたが,これを使えばほぼ同様の効果が得られるというのもポイントです.ミュゼルとゴモリーの2種6枚によりタイムラインを早く回転させることができ,相手ターンにスタンバイに何度も持ってくる(自分のターン中にwt1に持ってくる)ことはそこまで難しいことでもありません.相手がスタンバイの除外や1点を出せない状況では1コストで3点回復するカードですので,終盤のぎりぎりの攻防においても非常に強力なスキルといえるでしょう.
2コストカード(8枚)
ヘヴィスイング (2枚)
ホーリーウェイブと比べると,スタンバイにカードが無くともハイデルガルドが誘発する,最終盤の一押しが必要な状況でも腐らないという強みがあります.ミュゼルやゴモリーの加速相手としても申し分ありません.また,後手で相手の最速ゴモリーを処理できるというのは他のカードには出来ない芸当です.
お守り天使ミュゼル (3枚)
下げる白いカードがないということで天使であっても採用していなかったミュゼルですが,ホーリープロテクションを3積したことにより強力なシナジー先が出来たのでめでたく3枚採用となりました.環境最初期の2019年5月大会の時点で3位につけている程度にはホーリープロテクションを高速回しするシナジーは凶悪です.これでグザファンを除いた天使悪魔が合計20枚になったので,相手が苦し紛れに出したハモニアを全体7点バーンで吹き飛ばして3点回復を帳消しにする11点ダメージを与えることも十分現実的になりました.よかったですね
黒魔女『マルルン』(3枚)
これを3枚入れない理由がない
3コストカード(8枚)
ゴモリー (3枚)
当然3積
ダークフレイム (2枚)
調整段階ではミュゼル2,ダークフレイム3でしたが事故が気になったので逆にしました
時空乱流(3枚)
効果ダメージ無効持ち,かつハイデルガルドで倒せないロードに対してはかなり弱いので3積にしました.このデッキは相手ロードを無視しても殴りきるポテンシャルはあると思いますが,シノやニムエ,エルルーンやヒノカグツチ入りのデッキをコンセプトから否定できるカードは強いですね.ただし,赤緑かアーサーを考慮しない場合は必要ないため,枚数を減らして低コストのスキル・ミニオンを入れた方が確実に安定します
早く赤青と青緑の構築済みを出す前にパワーレベルエラッタ出すべきではないでしょうか
4コストカード(6枚)
モラクス(3枚)
先攻だと大体ライフが勝ってるので自爆3点は厳しいですが,6コストからソロモン→グザファン→モラクスやモラクス→マルルンという動きは非常に強力なので入れています
ハイデルガルド(3枚)
これって,壊れてる
5コストカード(3枚)
サキュバス (3枚)
ソロモングザファンするには全体バーンの打点が足りないんだよなというときはこれを素出しするだけでも普通に1ターン稼げたりするのでお勧めです
黒赤に対してソロモン→グザファン→サキュバスができれば相手は返す手段がないためそのまま勝てます.あと貴重なパーシヴァルでバウンスされないミニオンです
6コストカード(3枚)
先攻6ターン目までの間にソロモンを1枚以上引ける確率は82.0%,後攻5ターン目では76.7%です.しかし,グザファンが揃うまでは原則としてアンロックは我慢しましょう.
魔術王『ソロモン』 (3枚)
デッキのコンセプトです.グザファンさえ1枚引けていればソロモンの枚数だけコンボが成立するので黒赤の正負反転フィールドみたいなものですね
手札はどんどんじり貧になるデッキなので,2枚目以降をキープするかはよく考えましょう
8コストカード(3枚)
黒炎の天魔『グザファン』(3枚)
実はこれを引けないと打点が足りません.最悪ソロモンを引けなかった場合はグザファン素出し勝利まで粘れば勝ちですが,ソロモンはいくらあっても単体では4/5速攻でしかないので相手ロードに嬲られて終わります.しかし,パーシヴァルを引けない第三弾環境の赤白みたいなものだと思えばそこまで大きな問題でもないでしょうう.
第四弾環境総括
黒赤反転イフリータに対し,決め手となるまともな手段がなければもはや(優勝を狙う)デッキとは言えない環境でした.第三弾環境で猛威を振るっていた黒青も,死者蘇生やブラッドスティールを駆使しなければ反転→イフリータ→フラッシュファイア(デスクラウド)一発で勝負が決まるため,Tier1からは落ちた感がありました.
また,構築によっては1枚で完全にロックとなるニムエを擁する赤緑もチアガールを獲得したことにより一方を取ることが容易になり,かなりのポテンシャルはありましが時空乱流という対策カードにより黒白にはまず勝てないという弱点がありました.
第三弾環境に比べると全体的に遅くなりましたが,明鏡止水を獲得した赤白が先攻でブン回った場合はほぼ勝てるデッキは存在しないという早さを誇りましたが,ホーリープロテクションという実質1コスト3点回復のカードを超えることはかなり難しく,また反転コンボ1回でかなり厳しくなるというピーキーなデッキと言えるでしょう.
黒緑もアメノクラト→神降ろし→アメノサギリというロックコンボには輝くものがありましたが,赤白アグロには0-10と言えるほど全く間に合わないため,厳しいものがありました.
そのような中,マルルンという完全に壊れたカードを獲得し,ハイデルガルドと合わせ刷られてはいけなかったCC0ロードを2種類も擁し,フリーズ乱流という相手のコンセプトを否定するアーツを持ち,ホーリープロテクションというアグロを殺す1コストスキルを得た黒白は環境最初期から不利な対面がいない説がありましたが,元来の打点が伸びにくい,ファッティを倒せないという問題を抱えていました.しかし,盤面を全て処理しつつコア以上のダメージを容易に叩き出すソロモングザファンコンボが研究されはじめると,どちらの弱点も克服することができました.
黒白ソロモンと黒赤反転イフリータ両方に強いデッキがまず考えられない以上,第四弾環境終了まで黒白ソロモンの地位が揺らぐことはないでしょう.
以上,第4弾環境での黒白ソロモン2+環境解説でした.何かご質問があればTwitterでご連絡ください.なお,11月から電脳魔杖戦の参加賞報酬が増え,月5回以上の参加で過去のプロモやプロモホロが必ず貰えるようになるというようなので,強者の証プルモー毒銛り撃ちが再頒布される可能性があります.是非一緒にオンラインで紙をしばきましょう.