レギオンズ第四弾環境赤白剣術アグロ解説

レギオンズ!チャンピオンシップ2019夏も終わりましたので,持ち込んだ剣術アグロの解説をします. 赤白剣術アグロはトップメタの黒白グッドスタッフに対し,採用カードによっては 3-7から1-9の不利となり,黒赤にもさほど有利にはならない以上Tier1にはなり得ませんが,先攻における回り方は全環境を通じて最速といえますので,アグロ好きな人にはお勧めです.

  • デッキ
  • 環境考察
  • 基本的な回し方
  • 採用カード解説
    • 1コストカード
    • 2コストカード
    • 3コストカード
    • 5コストカード
    • 6コストカード
  • 不採用カード解説

デッキ

戦績:
・2019年5月魔杖戦ベスト8

赤白剣術アグロ(マシュマロ)
魔杖戦2019年4月期大会レポート(前編)(http://legions.flipflops.jp/report/3444)より

主な戦績:
・2019年チャンピオンシップ夏 ガンスリンガー優秀賞(同率3位)

赤白剣術アグロ(棘)

環境考察

それぞれのTierも含め,全て個人的な印象,感想です.他にも色々とデッキタイプはあるかと思いますが,思いついたもののみを列挙しています.

Tier1: 黒白グッドスタッフ

第4弾で最も壊れているロードであるマルルン,様々なカードと強力なシナジーを持つゴモリー,たとえデスクラーケンだろうがファッティを処理できる黄泉渡しの少女,場に残っても腐らず,タイムラインに送られても強い中忍カスミ,1コストで最大3点も軽減し,苦手だったリトルゴレムやククリも処理できるホーリープロテクション,ロードと組み合わせるとミニオンを処理しつつATK3速攻が可能なモラクス,ほぼ確定フィニッシャーとしてのグザファンなど,多数の強力なカードを獲得し,ハイデルガルドやフリーズのような従来の強力カードと合わせて詰め込むだけで相当に強いのが黒白グッドスタッフです.時空乱流があるため,第四弾で最も残してはいけないロードであるヒノカグツチや,ずっと壊れっぱなしであるエルルーン,シュカをコアを減らしつつ確実にブレイクできるのも強みです.明らかな不利となるデッキが今のところ環境に存在しないと思われるため,迷ったら黒白を握るというのが最も丸いでしょう.赤白剣術アグロに対しては最速マルルンフリーズでミニオン3枚+スタンバイ2枚を全処理することが可能になり,ハイデルガルドの存在も合わせて非常に厳しい相手となりました.唯一,効果ダメージ無効のククリは浄化の祈り,ホーリープロテクション,ホーリーウェイブでしかまともに処理することが困難なため,このあたりのカードが入っていないのであればぎりぎり五分程度にはもっていくことができるでしょう.一方で,これらが十全に積まれている場合はこちらが完璧なブン回りをしたとしても負ける恐れがあります.
なおマルルンでも似たようなことはできますが,アナスタシア+モラクスというコンボも考えられます.

Tier1: 黒青躍動マルドゥク

第三弾環境では文句なしのトップメタですが,ニムエが積まれた赤緑やコントロール型の黒緑以外にはほぼ不利がつかないため,依然として強力なデッキタイプです.ブラッドスティールを積むことでプルモーの突撃兵をブレイクした状態でターンを返すのが黒赤対面のプレイの肝です.

Tier1: 黒赤反転イフリータ

スポイラーが出た時点でデザイナーズコンボと考えられた正負反転フィールド+イフリータ+デスクラウド(or ファウラッシュファイア)のコンボは5戦連続こそ困難なものの1戦単位では5割を超える確率で決まることがわかりました.マサムネやククリ,アネットなどの効果ダメージ無効を持つミニオンやロードが入っていないデッキに対しては1度コンボを決めるだけで非常に有利な状態に持っていくことができます.

Tier1: 黒赤ユズリハアグロ

黒赤反転イフリータは決まれば強いのですが,それだけでロードアーツが15枚以上となるため,事故率が非常に高いのが難点です.そこで,反転イフリータの3枚コンボを諦め,イフリータを全抜きしたのが黒赤ユズリハアグロです.あずきあらい獲得のおかげで従来はかなり苦しめられたククリやリトルゴレムを処理できるようになった上,キッカーなしユズリハでミニオンを3体並べることも難しいことではなくなりました.正負反転フィールドとデスクラウドやフラッシュファイアはそのまま残し,最悪正負反転フィールドは1コストキャントリップとして割り切り,デスクラウドやフラッシュファイア,特に後者はミニオン処理とスーサイドな削り手段として機能しています.

Tier2: 赤白剣術アグロ

この記事で紹介しているデッキです.この記事においては剣術アグロの中でも様々な受けを全て捨ててとにかく速度のみを追求したオールインになっていますが,明鏡止水とあずきあらいを獲得したことはかなり大きいでしょう.ただし,黒白グッドスタッフには超がつくほど不利です.対黒赤はパーシヴァルとククリを引くゲームになります.

Tier2: 赤緑ミッド

チアガール獲得により,最速エルルーン経由のヘヴィガンナーで相手のHP5ロードをブレイクしつつエルルーンが生存するという動きができるようになりました.従来よりシュカとエルルーンはゲームの方向性すらアグロ方向に歪めるほどの強力なロードでしたが,強力ロードのメンコ大戦においてはこれら2種の強力ロードを有する赤緑に分があります.しかし,第二弾環境から時空乱流を持つ黒白に弱いという弱点は変わっておらず,黒白がトップメタの今環境においては一歩劣ります.ソウルバーストを獲得したことにより,時空乱流に対するケアもある程度はできるようになった分,第二弾~第三弾環境に比べれば戦えるのは確かですが,一定以上の不利がつくことは否めないでしょう.

Tier2: 黒青アリスミモザ

オサキサマのような妨害がないと仮定した場合,アリスを出したターンに4点,次のターンにアリスの本体も合わせて0コスト8点が狙えるアリスを加えた黒青です.ゴーストトークンをバフする手段と併せることでなかなかの強さを誇りますが,純粋な強さではミモザの方が確実に強く,アリスを出す以上ミモザを出すターンが遅れるため,同じ黒青でも躍動マルドゥクの方がより強いと言えそうです.

Tier2: 黒赤オリヴィエミッド

反転イフリータから反転ギミックを抜き,イフリータではマナスマイトをアンロックすることを狙ったデッキです.これにより,オリヴィエでさらにマナスマイトをアンロックできれば10点を超える大ダメージを狙えるようになります.反転ギミック入りに比べるとロード/アーツの枚数が減る分安定性は増しますが,反転ギミックがなくなるためミニオン全処理+4点ドレインといった理不尽が起こる可能性がなくなる弱みがあります.ただし,今環境では黒赤を見ただけで反転ギミックを疑わざるを得ないため,何もしなくても相手の行動を誘導することは可能です.

Tier2: 黒緑ヒミコミッド

神降ろしの舞を獲得したことにより,よりプレイの安定感は増したような感じがありますが,今環境でほほとんど対戦したことがないため特にコメントはありません.

Tier2: 黒緑サギリコントロール

アメノサギリとアメノクラト,アマテラスによる最大-3/-3のロックを狙うデッキです.アマテラスが着地すればその時点でほぼ勝ちとなりますが,マスターアタックを連打する赤白剣術アグロなどには滅法弱いようです.

Tier2: 赤白ネネキリミッド

ルゥエルなどを入れ耐性を上げ,ネネキリマルで勝利を狙うデッキです.赤白剣術アグロの存在があるため,ダイスに負けたとしても相手が剣術アグロに先攻を譲ってでも後攻を取りたいようなデッキではない限り後攻を握ることができ,ネネキリマルアンロックまではまず確実にコアを伸ばすことができます.ただし,ネネキリマル以外の攻撃手段に乏しいため,ネネキリマルが着地して8点,さらに次のターンで5点+αしてもまだ20点を削りきれない恐れがあります.ネネキリマルは直進持ちなので,赤白ミッドだと分かった場合ファッティは左右レーンに配置することで安定して詰みの状況を作ることが可能です.なお,ソロモンとネネキリマルのコンボで同じ7コストからでもCC1で直進なしの9点を与えることが可能ですが,攻撃力に欠ける点は変わらないためそこまで強くはありません.

Tier3: 赤緑エキドナ挺身コンボ

エキドナの効果により手札から一気にバフ+中忍カスミのダメージをたたき込むことができるコンボデッキです.チェンジリングを使うとタイムラインにある全てのリバースカードを表にすることができるため,艇身の効果が倍になります.うまくカードさえ揃っていればエキドナ+スイッチアタック+オーガクイン+チェンジリング+大量の艇身カードで20点を超えるワンショットキルも可能です.

Tier3: 白青ドールアグロ

コピースペル獲得により,キャリーが生き残りさえすればビッグベアが大量に並んだ上でさらに1体には速攻も付与できるという強みがあります.しかし,ナッツクラッカーがなければ序盤が厳しく,ATK5を超えるロード,特に人形爆弾が無効となる効果ダメージ無効や結界持ちにはほぼ無力という白青の致命的な欠点は克服できていないため,現環境ではかなり厳しいと考えられます.

Tier3: 白青ウルズミッド

ウルズが着地できるまでコアを伸ばすことができればクイックリカバー連発により勝てるというデッキです.序盤はホーリープロテクションなどによりとにかく耐え凌ぎつつ,隙をみてクイックリカバーの種となるミニオンを展開していくというのが基本的な回し方となります.

基本的な回し方

マスターアタックスキルで相手のライフのほとんどを削ることをコンセプトとしたデッキです.第三弾環境と同様,1ターン目に出したククリを守るためにひたすらマスターアタックスキルを対面ミニオンに打ち続けはしますが,大量のマスターアタックスキルをタイムラインに流しシノにつなげるのが主目的です.相手の7コストロードが着地した時点で敗北せず,返しで勝てればいいので,相手のデッキによってはミニオン無視,ロード無視も大いにありえます.赤白アグロは相手のライフが残り4以下まで削ってターンを返せば,パーシヴァル,ユラノ,居合い切り+マスターアタックスキルと複数の勝利パターンが存在し,それら全てをケアするのは困難ですので,とにかくライフを削って相手の択を減らしていきます.第三弾環境までであれば赤白はコスト通りのダメージしか出せることができなかったため7点まで回復してターンを返せば安泰でしたが,今環境であればシノと明鏡止水により6コストで8点以上叩き出すことも難しいことではありません.
総じて,こちらが6コストの時点で勝ちあるいはほぼ勝ちまで持ち込めていないのであればほぼ負けるオールインアグロですので,特に先攻を取った場合は受けはほとんど考えない方がよいでしょう.後攻においてもパーシヴァル連打のみでまくるのは厳しいので,最速シノが有効になるよう,2ターン目,3ターン目の両方でマスターアタックスキルは流したいところです.
なお,トップメタの黒白に対しては1枚のハイデルガルドでひっくり返されないように大量のマスターアタックスキルを流すこと,黒赤に対しては反転デスクラウドの回復が追いつかないくらい大量の打点を稼ぐことが対応方法となっています.

採用カード解説

以下,採用カードそれぞれの役割について解説します.また,ときたま出てくるカードを引ける確率は超幾何分布により算出しています.もちろんこれは理論上の数値であり,実践においては数戦連続でパーシヴァル3枚がボトムにあったということは大いにありえますので,参考程度にとどめておいた方が無難です.

1コストカード

1コストミニオン9枚採用の場合,交換を含めた初手の7枚のうちに1コストミニオンが1枚以上含まれる確率は85.6%です.

白狐ククリ (3枚)

第3弾環境においてはパーシヴァルの次といっても過言ではないほど重要なカードでしたが,あずきあらいが収録された今環境ではアンロックした返しのターンに即座にブレイクされることが非常に増えたため,有効性はかなり落ちました.しかし,トップメタの黒赤,黒白に対しそれぞれあずきあらい,また浄化の祈りもしくはホーリーウェイブが採用されていない場合は除去する手段が非常に乏しく,強烈に刺さるカードには変わりないため,依然として3枚採用となります.また,先攻1ターン目にこれをアンロックすれば,ククリを除外しつつ中央にミニオンを立てる手段は存在しないため,2コストのマスターアタックスキルでククリ対面のミニオン,あるいはマスターに直接2点を与えることが可能です.なお,赤白ミラーにおいてはアヤメとあずきあらい,ホーリープロテクション,二天一流,浄化の祈りなどククリを除去する手段は豊富にありますので,あずきあらいやアヤメを優先して残した方が無難でしょう.黒赤に対してはデスクラウドへの対策札となりうるため,可能な限りアンロックしていきます.

あずきあらい (3枚)

従来ではリトルドラコだった,相手のHP1ミニオンをブレイクするための枠です.自分のライフが相手のライフ「以下」であれば強襲付与あるいは猫又オリョウと同じwt2-4の赤カードの加速ができます.つまり,先攻であれば1ターン目にククリをアンロックすれば2ターン目にあずきあらい強襲付与で対面のHP1ミニオンをブレイク,後攻であれば1ターン目に相手がアンロックしてきたHP1ミニオンをブレイクというプレイングが可能です.リトルドラコと違い効果ダメージではなくバトルダメージになるため,厄介だったククリとリトルゴレムも相打ちとはいえ1コストで処理できます.加速モードも1コストで可能となると非常に優秀で,覚醒ターンまではライフが負けがちな後攻ではアヤメやあずきあらいを毎ターン使い回すといったことも可能となります.さらに,剣術赤白は自傷ダメージが非常に多いため,瞬間的には先攻でも相手のライフ以下になるということはざらにあります.その際,プレイ順さえ間違えなければあずきあらいはとても強力です.例えば,先攻3ターン目,こちらのライフが18,相手のライフが16で,場には相手中央レーンにのみ2/1のリトルゴレムがあるという状況において,手札には居合い切り,白刃一閃,あずきあらいがあったとするとき,単純に居合い切りを撃てばリトルゴレムをブレイクしてライフは16-14になりますが,白刃一閃をリトルゴレムにうち,そのあとにあずきあらいをプレイすればライフは16-16になりますがその分wt1に白刃一閃を送りこむことができます.同様のことはバックダメージが3以上のミニオンやロードに対して居合い切りを撃つときも起こりやすいので,常に選択肢として考えておくとよいでしょう.一方で注意点が2つあり,もしライフが優勢であれば完全な1/2バニラになり下がりますので,非常に優勢になりそう/なった先攻においては即座に交換していくべきでしょう.さらに,自分のライフが相手のライフ「以下」のときにしか効果は選択できないため,手なりで先にスタンバイにあった剣術スキルを相手に撃ち込むなどをしてライフが勝ってしまってからあずきあらいをプレイすることのないようにしましょう.
なお,先攻1ターン目をアヤメでスタートしてしまうとあずきあらいが非常に腐りやすくなる,ククリスタートだと今環境は即座にブレイクされやすい,なとを考えると,先攻1ターン目でもあえてあずきあらいをプレイしてスタートさせた方がATK1ミニオンが場に残る分,ダメージ総量は増えるかもしれません.さらに,先攻2ターン目における相手ミニオン処理においてアヤメとあずきあらいのどちらを使うべきかはデッキの色などに応じて変わってきますので,よく考えましょう.

かまいたちの次姉アヤメ (3枚)

あずきあらいと合わせ,HP1かつ厄介なミニオンであるリトルゴレムやククリを処理するために必須となるミニオンです.タイムラインが2なので,自ターン中に相討ちしたとしても2ターン後にはスタンバイに戻ってくるという点も見逃せません.また,最終盤において1コスト1点として計算できることは他の採用1コストミニオンには無い利点です.対面がリトルゴレムやヒミカを採用している場合,パーシヴァル着地時にリトルゴレムを処理するために先攻であれば自ターン2ターン目及び4ターン目あるいは相手ターン3ターン目,後攻であれば自1ターン目および3ターン目あるいは相手ターン2ターン目にブレイクする価値はあります.自ターンであれば白刃一閃でも同じことはできますが,バックダメージを食らわず,1コストでできることは魅力的です.さらに,7コストを使える場面においてパーシヴァル+アヤメで7点や,剣術スキルなどと合わせてコア数と同じダメージを与えて勝利するという展開は大いにありえます.
ただし,先攻1ターン目にプレイしてしまうと,あずきあらいが非常に腐りやすくなってしまいますのでその点は注意してください.相手のデッキによっては,目先の1点を捨ててでもアヤメではなくあずきあらいをアンロックすべき状況はあると考えられます.

明鏡止水 (3枚)

6コストならば手札から出るダメージは高々6点と,第3弾環境までの赤白ダメージレースの常識を完全に破壊したカードです.マスターアタック+1のモードでは1コストで1点から2点,シノも絡めば1コストで3点以上を叩き出すことも可能になった最重要カードです.また,他のモードも非常に強力であり,1ターン目を除けば手札で腐ることがありません.ドローモードはこのカードを解決した時点で手札から4枚以下ならドローできるので,このカード込みで手札が5枚あればドローできます.手札消費が激しい赤白アグロでは1コスト1ドローと読み替えても問題ないでしょう.最後のモードの先制付与は相手とライフレースをしているときに非常に有用となるモードで,特に居合い切りと組み合わせることによりHP4までのミニオン/ロードを一方的にブレイクしつつ貫通2点を与えることができます.5点のバックダメージ覚悟でマサムネに撃っていた居合い切りがたった1コストで5点軽減できると考えると破格でしょう.
なお,このカードが最大限効果を発揮するのは覚醒ターン時にスタンバイにあるときですが,先攻2ターン目に使うことができれば覚醒ターンである5ターン目にスタンバイに戻ってきますので,非常に有用です.から撃ちをしないのであれば,1ターン目に1コストカードをアンロック,2ターン目に別の1コストカード+明鏡止水をアンロックしモードドローで使用ということになりますが,そう難しすぎるプレイングでもないと思います.また,相手のターンに妨害されないことを前提とするのであれば,先攻4ターン目にスタンバイにアンロックしてターンを返すとマスターATK+1モードを解決してからシノで剣術スキルを加速できるようになるため非常に強力です.

2コストカード

2コストで2点出せるカードは9枚ガン積みなので,最終盤のコスト通りのダメージを与えられれば勝ちという状況でカードを揃えて勝つということはそこまで難しいことでもありません.シノを最大限活用するためにも,これらの9枚は複数枚引き,覚醒ターンまでに2枚はアンロックしておきたいところです.

白刃一閃 (3枚)

先攻2ターン目の時点ではあらゆる相手のミニオンをブレイクすることができるスキルで,2コストで2点出るカードその1です.さらに2ターン目に使うことができれば4,6ターン目に戻ってくるため,それぞれ居合切りやパーシヴァルで中央レーンのミニオンを退かすと考えれば初回は相手ミニオン処理に使ったとしても1枚で4点ダメージが期待できます.
シノ,あずきあらい,聖剣の加護によるタイムラインの回転をメインコンセプトとしているこのデッキでは, 明鏡止水により1枚3点に化ける可能性があることも考えればとりあえずこのカードをタイムラインに流すのがよいでしょう.

ファイアフィスト (3枚)

先攻2ターン目の時点ではあらゆる相手のミニオンをブレイクすることができるスキルで,2コストで2点出るカードその2です.ヘヴィスイングと比べると聖剣の加護では加速できない分,あずきあらいでは加速が可能です.3ターン目にファイアフィストを相手のミニオンに撃ちライフを減らした後にあずきあらいをプレイしファイアフィストを加速する,というのは1つの基本プレイになるでしょう. 衝撃能力が相手の意図を妨害する上で役に立つことはいわずもがなですが,ルーティングで当たりを引きにいくことができるのも強力です.最終盤,スタンバイにあるこのカードをまずプレイしてルーティングし,勝利するための手札を集めるということはよく行われます.

ヘヴィスイング (3枚)

2コストで2点出るカードその3です. ファイアフィストと比べると,聖剣の加護で動かせる剣術スキルではありますが,あずきあらいの加速対象にはなりません.ブレイクしたいHP3ミニオンの採用率も減った今環境においては,基本的にはヘヴィスイングを優先して残すことになるかと思います.ただし,明鏡止水で先制付与ができるようになりましたので,盤面処理という点では応用が効きます.

座敷わらし『シノ』 (3枚)

明鏡止水を獲得したことにより,5コアの時点でも平気で1ターンに6点から8点を叩き出すことが可能になりました.多少のロードや大きなミニオンは聖剣の加護や居合い切りと合わせることで処理できますし,たとえアンロックしたターンに打点が4点などしか伸びなかった場合でもスタンバイに剣術スキルを集めることでパーシヴァルの圧を増すことが可能です.シノで3枚のマスターアタックスキルや明鏡止水を加速できるように,ひたすら剣術スキルでミニオン処理をしたり,マスターにダメージを与えるのが基本的なプレイングとなるでしょう.特に先攻で明鏡止水が絡んだ場合はパーシヴァル抜きで致死圏内にもっていくことも不可能ではないため,5コア時点でククリなどに強襲をふって中央レーンをこじ開けることも大いに考えられます.ただし,加速可能なマスターアタックスキルが1枚しかない場合などは流石に弱いため,明鏡止水+2コストマスターアタック+2コストマスターアタックの方が打点は伸びるということはよくあります.
オサキサマとは違い,出して加速をした時点で仕事はしているのですが,時空乱流を筆頭としてノーム,アラクネーなどコアが減らされる動きも存在しますので,パーシヴァルにつなげられなくなるリスクは考慮しておきましょう.

3コストカード

一の太刀 (3枚)

3コストで3点が出るカードです.タイムライン妨害がないデッキ相手であれば,このカードがタイムラインを回るだけでほぼ勝てます.絶好のアンロックタイミングは先攻3ターン目あるいは4ターン目ですが,衝撃などをされないのであれば,シノや聖剣の加護による加速を前提として後攻3ターン目にアンロックすることも大いに考えられます.あずきあらいの加速も勘定に入れるのであれば,居合い切りは温存してこちらでミニオン処理をするのもよいでしょう.
一方で,黒緑や黒白,黒青対面で折角アンロックしたこのカードがすぐに除外されてしまうとかなり厳しくなってしまうので,むしろ2コスト2点のカードを複数枚アンロックし飽和を目指す方がよいと思います.

居合切り (3枚)

3コストで2点が出るカードです.4コスト以下の全ミニオンをブレイクしつつ,貫通2点ダメージを与えることができる非常に強力なスキルです.中央レーンが空きさえすれば,クドリャフカなどを除くほとんどのCC0ロードをブレイクすることもできます.今環境では効果ダメージ無効や結界持ち,あるいは素のHPが4のイフリータ,ランゲツ,ルゥエルをきれいに処理できる唯一のカードですので,それらが出てくる可能性がある対面であればなるべく温存するべきです.先攻3ターン目などでは瞬間的なダメージをとるのであれば居合い切りで相手ミニオンを処理になりますが,もし後攻3ターン目ルゥエルが出てきたのであれば,居合い切り以外で打点は出せなくなってしまいます.また,明鏡止水のATK+1モードは貫通には関係しないため,居合い切りのダメージにはさほど影響しないことに注意してください.ただし,その場合はHP5のミニオンやロードを倒せるようになるのでエルルーンなども無理矢理ブレイクすることができるようにはなります.
特筆すべきは明鏡止水の先制モードと組み合わせたときの動きで,HP4以下のミニオン/ロードを一方的にブレイクしつつ2点の貫通ダメージを与えることができます.黒青対面など,自傷が多すぎるとライフレースで負けてしまう恐れがある際には活用するとよいでしょう.

聖剣の加護 (3枚)

各種ロードや大型ミニオンの処理をしつつ剣術スキルのウェイトを早めることができる強力なアーツです.他に1点を出すことができればハモニアをブレイクすることもできます.ヒノカグツチやハイデルガルドのような処理必須のロードを確実にブレイクできるカードとして,どのゲームでも1枚は手札に欲しいところです.ただし,6コアキルなどを目指せるほど回っているのであれば居合い切りの方が優先されがちです.また,黒赤対面であれば対象にしたいのがユズリハくらいしかいないため,これをキープしてコア余りを起こすくらいであれば交換して最大ダメージを狙うべきでしょう.黒白対面はハイデルガルドを処理できなければ100%負けるため,絶対にキープしてください.フリーズでゲームが長引く分,マルルンも残してしまうと返しのターンで0コスト5点保証が起こるため,黒白対面では手札に来た加護は全てキープするくらいでもよいでしょう.
基本的には剣術のウェイトを早める効果を使うことになるかと思いますが,対象となる剣術スキルがないとき,あるいはプルモーの突撃兵やミヤビ,エルルーンが出てくる前のリコッテやヘヴィガンナー,ツクヨミが出てくる前のナイトメア,白緑のバクヤなどはバウンスした方がよい場合もあります.ライフに圧倒的差がついており,その差を維持するだけで勝てそうな場合などでは積極的にバウンスを利用していきましょう.

アンサモン (2枚)

アネットの前にいるミニオン,具体的にはハモニア,ゾンビマスター,マサムネ,プルモーの突撃兵など他の採用カードでは処理が困難である厄介なミニオンを1枚で退かすことが出来るアーツです.白緑であれば救援要請と絡めた援軍の到着や将軍の大号令で即座に戻ってくる可能性がありますが,聖剣の加護のブレイクと比べればタイムライン4に送るため強力です.
大量の剣術スキルを回して押せ押せの状況だったとしても,ハモニアが立つだけでシノが生きたまま帰ってきたとしても非常に厳しくなるため,ファッティが中央レーンに立つ可能性がある対面では5枚目の聖剣の加護となりますので,よく考えてキープしましょう.もちろん,黒赤のようなアグロ対面では一切使う機会はないため即座に交換して構いません.

5コストカード

焔神『ヒノカグツチ』 (2枚)

これ単体ではスタンバイを考えなければ精々5コスト使って3点しか出すことができないのでそこまで強くはないのですが,ロード,あるいは中央レーンにミニオンが配置されたときに4点を与えるという効果により相手の対応札を絞ることができ,もしブレイクされないでターンが返ってくればATK5によりほぼ勝ちになるというロードです.これを最速でアンロックしてしまうとパーシヴァルが次のターンアンロックできなくなるため,基本的に使うことはありません.ただし,時空乱流さえ飛んでこなければ最も苦手な対面である黒白に刺さるため,黒白に対しては最速着地を狙っていきます.ATK5/HP5の強襲により中央レーンはほぼ確実に空けることができるため,wt2までに居合い切りがあれば相手のマルルン,ハイデルガルドを処理しつつヒノカグツチを最速で場に出すことが可能です.ただし,居合い切りが見えていればそれを警戒されてハイデルガルドやフリーズの対象とされてしまいますので,wt2に居合い切り,wt1に目くらましとなる別のスキルが並ぶようにするというのが上策でしょう.

6コストカード

先攻6ターン目までの間にパーシヴァルを1枚以上引ける確率は82.0%,後攻5ターン目では76.7%です.また7ターン目,6ターン目までに2枚目以降を引く確率はそれぞれ46.1%,38.5%ですので,2枚目が必要そうなときは多少のコスト余りを覚悟してでも一度手札に来たパーシヴァルは切らない方が賢明でしょう.

聖杯の守護騎士『パーシヴァル』 (3枚)

6コストで6点を出しつつ,相手の盤面を崩壊させることのできる非常に強力なカードです.対面が赤白というだけで常にパーシヴァルケアを考えなくてはならないため,シノとの二択が可能になります.詳しい使い方は第三弾環境の解説記事をご参照ください.

不採用カード解説

第四弾環境での剣術アグロにおいて一時期採用していたが抜けていったカードの解説です.

小鬼のヒミカ

第3弾においてはククリと並びミニオンビートをするためのキーカードでしたが,今環境は赤だとあずきあらい,黒だと中忍カスミが大体入ってくるためほぼバトルには参加できずブレイクされます.1ドローは魅力的ではありますが,マスターアタックの金太郎飴であるこのデッキにおいては手札が無くなるのは勝ちあるいは負けが確定したときと相場が決まっているため,マスターアタックスキルの代わりに抜くこととなりました.黒白に対してはマルルンやハイデルガルドによりスナック感覚でブレイクされるため,ミニオンを横並びにすることに対した意味はありません.

二天一流

自ターン中に能動的に処理することと比べればしっかりダメージは貰いますが,リトルゴレムやククリ,シグレなどのHP1ミニオンを受動的に処理することができます.相手ターン中にブレイクする分,回転は早くなりますが,それは二天一流をアンロックする代わりに別のカードでブレイクしたとしても同じなため,相手ターン中にさらにウェイト加速をされない限りはデメリットにもなりません.ファイアフィストの採用がかなり増えた今環境において,衝撃が無効になることによりこちらのプランが崩壊しにくくなるというのも評価できるポイントです.一方で,ブラッドスウォームやフリーズといった衝撃以外のタイムライン遅延カードには無力であることには注意してください.さらに,複数枚がスタンバイにあったとしてもマスターの反撃はATK2になりません.普通にプレイしたときのルーティング能力も腐りにくく,大量のマスターアタックスキルが積まれたこのデッキにおいては最終盤できっちりライフを削りきるためのカードを揃えるために期待ができます.wt2のスキルなので,2ターンごとにルーティングができるというのもデッキの掘りやすさとしては破格です.また,タイプが剣術なので,ファイアフィストくらいしかタイムラインになかった場合でも一応このカードを対象に聖剣の加護の加速効果を使うことも可能です.一方で,新緑の精霊やプルモーの毒銛撃ちとは友情コンボが発生することにはご注意ください.ルーティングは「してもよい」なので,空撃ちすることも可能です.
本来であれば2枚採用したかったのですが,黒白に対する勝ち目をわずかでも作るためヒノカグツチと交換しました.

浄化の祈り

1/2ミニオンや,環境をにらんだ再生ミニオンが増えてきた今環境では1コストでの除去札として採用の余地があるカードです.二天一流か浄化の祈りのどちらかを採用するとより安定感は増すでしょう.

木の葉天狗

ミニオンビートが可能な第3弾環境では強かったカードですが,黒白はマルルン,黒赤は反転デスクラウドがある以上,木の葉天狗をアンロックするくらいであれば2コストのマスターアタックスキルを撃ち込むべきでしょう.

かまいたちの末妹シグレ

概ね2コスト2点が出るカードであり,シノはもちろん,あずきあらいでも加速可能という強みはあります.しかし,普通に使っていれば相手のターンにブレイクされる以上,2コストのマスターアタックスキルと比べれば実質wt4という弱みがあります.

守り神『オサキサマ』

第3弾環境では躍動マルドゥクを考えると絶対に3積となるカードでしたが,黒白においてはマルルン,黒赤においては反転デスクラウドにより一切仕事をせずに処理されますので,今環境では入る余地はありません.

境界の仙龍『ユラノ』

マスターアタックスキルを大量に流す本デッキでは,フィニッシャーとしてはパーシヴァル以上となりうるロードです.ただし,枠がないのでお役御免となりました.黒白以外を考えるのであればヒノカグツチの代わりとなると思われます.

以上,第4弾環境での赤白剣術アグロ解説でした.何かご質問があればTwitterでご連絡ください